asahi.com
天気  辞書  地図  サイト案内  Top30  サイト内 WEB
オフタイム 社 会 スポーツ 経 済 政 治 国 際 サイエンス 文化・芸能 ENGLISH 
  音楽  映画  パーソン  ライフスタイル  ファッション  食&料理  ショッピング  旅&街   



めでたい、めでたい「春節」料理

街中に「福」踊る
「年年慶有餘」(年じゅう余裕がありますように)――ハタと金華ハムの合わせ蒸し
「魚」と「餘」の音がいずれも"イー"と同じことから、正月にはお頭つきの魚を食べて祝うのがならわし。
 「新年好!」「恭喜發財!」――赤や金の色彩が溢れる街に、健康と幸福を願う言葉が行き交う。中国はいま、春節(正月)のまっただ中。めでたい祭りの雰囲気が最高潮に達している。香港、北京、そして横浜や長崎の中華街。私はこれまで春節の街をあちこち歩いたが、中国獅子舞や龍踊りの太鼓の囃子、バクチクの弾ける音は何度体験しても体中の血が騒ぐ。

 店の外も家の中も景気のいい「福」でいっぱいだ。赤い紙の剪紙「窓花」を窓に貼り、めでたい図柄の多色印刷の「年画」を掛け、これまためでたい語句を2枚組みで赤い紙に書いた「対聯」を入り口の両脇に揚げる。真っ赤な正方形の紙に「福」の文字が倒(さかさま)に壁に貼ってあるのも、中国の正月祝いの習わしだ。「福が来る」と「福倒」は同じ発音。中国人は縁起をかつぐのが、とにかく大好きなのだ。

 中国の知人たちから毎年届く「賀年片」(年賀カード)も私の楽しみのひとつだ。赤や色とりどりの祝絵の中に金ぴかの文字で「吉祥如意」「新年快楽」「年年好運気歳歳祝平安(毎年毎年が幸運で平安でありますように)」といった力強い言葉が踊っている。日本の年賀状よりも「今年も健康で商売繁盛!」という勢いに満ちていて、受け取ったこちらまで福をもらった気分になるから不思議。中国人のパワーを感じる瞬間(とき)でもある。

料理名に願い込める

 中国の正月(春節)は旧暦の1月1日。日本でいう旧正月で、ことしは1月22日がそれにあたる。元旦はその年によって1月だったり2月だったりするので、中国では冬を迎えると皆、旧暦カレンダーで新年の春節をチェックして、この日を指折り数えながら迎える。日ごろ顔を合わせない家族が帰省して親戚全員が一同に会する喜びの機会。世の経済活動も一時停止。正月に関しては今の日本のそれよりずっと盛大で伝統に則っている。「中国らしさ」が一番高まる時期に思える。

 節日にごちそうはつきもの。食べ物にこの上ないエネルギーを傾ける中国人のこと、春節料理(年采)はこれまた賑やかでめでたいものづくし。まず中国で春節といえば「餃子」。新年零時に集まって餃子を食べる風習が今も健在だ。餃子は水餃子。おもしろいのは、餃子を包む時に1つだけ中に硬貨を入れてその年の幸運を占うというもの。今年の福男、福女は誰かな?と言いながら大晦日に家族皆でワイワイ餃子を作るのがまた楽しい。

 おせち料理を見てみましょう。あれっ、日本の色とりどりのおせちと比べると中国の食卓に並んだ春節料理の見た目は意外に地味?……いえいえ、その料理の「名前」を見れば思わず納得だ。

春節料理メニュー

 なんとめでたい正月料理。中国では「縁起のいい」おめでたい字の並ぶ料理を食べて1年の福を祈る。たとえば「發財大好市」は干し牡蠣と髪菜(黒い髪の毛のような海藻)をオイスターソース(牡蠣油)で煮込んだ料理。どちらも牡蠣を材料とするので 相性は抜群。これに干し貝柱を丸ごと加えて贅沢なご馳走料理 にする。ねっとりと濃厚なごはんの進む味わい。「發財(ファッツォイ)=財産が増えること」と「髪菜(ファッツォイ)」、「好市(ホウシ)=景気がよくなること」と「(ホウシ)=干し牡蠣」の音が同じことに引っ掛けてある。「幸福團圓」はみんなが円満になるように丸い白玉餅を入れたデザート。

 もう1つ、中国の正月といえば「年(ネンカオ)」。正月餅のことだ。白玉粉を蒸して丸く大きな円盤状に固めた餅はオレンジ色で、"ういろう"のような食感。軽く焼いて食べるのがお奨め。ほのかに甘くてお菓子のよう。

 今年も東洋の新しい年が始まった。「花開顯富貴」……これからも大きな運が開きますように。
(2004/2/2)

佐野由美子(さの・ゆみこ)
 レストランプロデューサー、中国料理研究家。
広東名菜「赤坂璃宮」をはじめ各地の中国料理店の顧問などを務める。中国茶講師としても活躍。中国の食文化の普及に貢献したとして平成15年度社会文化功労賞を受賞。
 代表取締役を務めるカメリアエンタープライズは、ホテルなどのレセプションや食にまつわるイベントの企画、コーディネート、運営などをサポートしている。






東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル5F

営業時間
  • 11:30〜14:30L.O.、
  • 17:00〜22:00L.O.(平日)
  • 11:30〜21:00L.O.(土)
  • 11:30〜20:00L.O.(日、祝)
電話 03-3569-2882
交通 銀座線・日比谷線「銀座駅」A2出口より徒歩3分
定休日 年中無休
 新しく銀座の交詢ビルにオープンした赤坂璃宮。限りなく本場広州に近い、素材の旨味を生かした広東料理にこだわる。
スッポンのスープや煮込みなど、早めの予約が必要とのこと。可能な限り食材を手配して応えるという。

| 社会 | スポーツ | 経済 | 政治 | 国際 | サイエンス | 文化・芸能 | ENGLISH |
GoToHome ニュースの詳細は朝日新聞へどうぞ。購読の申し込みはインターネットでもできます。
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 著作権 | リンク | プライバシー | 広告掲載と注意点 | アサヒ・コムから | 朝日新聞社から | 問い合わせ |
Copyright Asahi Shimbun. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission